【ストーリー】
終業式が終わり、伸介待望の夏休み。子ども達待望の夏休みがやってきた。
カミタマンは公園で、瓶のオレンジジュースを飲もうとしていたところだったが、子ども達の会話が、耳に入る。
横山「うち今年の海水浴ハワイだって」
少年たち「うちはアメリカ西海岸。根本のとこは?」
伸介「うちは……そうそう、うちは南極に行って、この暑さをしのごうと思って」
カミタマン「伸介のやつ……あんな嘘言っちゃって」
と、振り返れば、サーカス団長のようなシルクハットの男が、オレンジジュースを盗み飲みしているではないか。怒鳴りつけたが遅かった。
カミタマン「なんだあいつ……?」
伸介「わっ!!」
カミタマン「どわぁああ!」
背後から忍び寄った伸介におどかされてしまったカミタマン。
伸介「カミタマン。お前なにしてんの?」
カミタマン「おどかすなよ……」
ジュースを盗まれたと話すカミタマンを、伸介は全く信用しない。
伸介「カミタマン……この暑さでアタマを……ナムアミダブツ」
カミタマン「こいつぅ!」
草原に寝転んで、上機嫌の伸介。
カミタマン「伸介、何をそんなに……?」
伸介「夏休み夏休み! 明日から学校行かなくてすむの!」
カミタマン「でも、宿題があんだろ?」
伸介
「あんなの、九月になって最初の二週間ぐらい先生に怒られてれば、そのうち許されちゃうの!」カミタマン「なるほど……。あ、そうそうさっき聞いちゃったんだけど、南極に行くとか、やっぱり嘘つくのは……」
伸介「いいだろ、ああやってみんな、精一杯ミエはってんだから。横山だってハワイに海水浴に行くって言ってたけど、ほんとうは伊豆の民宿なんだ」
一方、シルクハットの怪紳士は、スケジュール表に「根本家 カミタマン」を書き加えていた……。
根本家の夕食は真夏に「湯豆腐」……パパの大好物らしいが、みんなは滝のように汗を流しうんざり模様。今夜も蒸しそうである。
暑さに寝つけないカミタマンを尻目に、すごい寝相で熟睡の伸介。
そんなカミタマンは、突然ぞくぞくと寒気を覚える。怪音と振動、ドアは開かず……おびえたカミタマンは必死に伸介を起こすが、びくともしない。
提灯お化けが出現し、ついにカミタマンは意識を失った。
カミタマン「ああ、ようやくこれで寝つかれる……」
残された提灯お化けは、そんなカミタマンの姿に、なぜかほんのりと頬を染めるのだった(乙女提灯らしい)。
日中の路上。明るい陽射しの下に似つかわしくない一つ目やカラカサなどのお化け達が集まる。「興業」を終えた彼らを乗せた車を運転するのは、例のシルクハットの怪紳士である。助手席には、ちょうちん乙女が……。
男が車のカセットデッキにテープを入れようとすると、
ちょうちん「やめて」
男「ん? ……うん」
ちょうちん「気分じゃないわ」
曰くありげな、気まずい空気。さながら、流れ者と情婦のようである。
根本家では朝っぱらから伸介とカミタマンが口げんか。二人とも頭にこぶをつくって相手の寝相のせいにしいるが、お互い様ではないだろうか。それはともかく、家族の誰もが、カミタマンのお化け話を信じなかった。
一人午後のお茶を啜りながら、男が手にしたロケットの中の写真は、あのちょうちん乙女だった。プロモーターの立場にありながら、「従業員」の一人に真剣に恋してしまったようだ。外から笑い声が聞こえる。
「だって初恋がろうそくだなんて……」
「いいじゃないのよ!」
「でも、そのカミタマンとかいうやつ、そんなに初恋のろうそくににていたのかい?」
「ええ、うり二つ」
大正生まれのババアにまでバカにされたカミタマンは、徹夜でお化けの正体を見極めてやることを決意した。
つきあってやると言った伸介はあっさりと先に寝てしまい、無理矢理ネモトマンに変身させても起きない。カミタマンは単身お化けと立ち向かうことに。
勇気の一撃カミタンブーメランは見事ちょうちんお化けをしとめるが、倒れたちょうちんの目からこぼれる涙……。
カミタマンはそんなことはつゆ知らず、みんなを起こそうと大声を張り上げるが、背後に忍び寄る影、頭に一撃を食らい、意識を失うのだった。
男「かわいそうにちょうちん……」
暗い部屋に、鎖で手を縛られたカミタマン。
男「カミタマン君……」
カミタマン「お前は……!」
男「私は、これらのお化け達のマネージメントをしている。彼らは私のことを、マネージャーと呼んでいます」
カミタマン「お化けのマネージャー?」
男「はい、最近お化け社会も芸能化しまして」
カミタマン「そのマネージャーが、何でカミタマンを!?」
男「カミタマン君、お願いがあります。……ちょうちんと結婚してやってください。ちょうちんは君を愛しています。結婚してやってくれ、いいね!」
カミタマン「あ……」
そこにちょうちん出現。
ちょうちん「本当?」
カミタマン「うわわ、ああ……だ、誰がお前なんかと!」
ちょうちん「え……!!」
泣きむせぶちょうちん。
男「きさま……」
怒る男の手には、拳銃が握られていた。
それを見たちょうちんは、男の手に噛みつき、男がひるんだ隙に、カミタマンを連れて逃げ出すのだった。
残された男の口もとには笑みが。
「これでいいのだ……」
だが、くずおれて泣きむせぶ。
「逃亡する二人に……愛が芽生え……二人は幸せになれる……これで、いいのです……」
ちょうちん「ここまで来れば大丈夫」
カミタマン「ありがとう」
ちょうちん「忘れ物はないわね?」
カミタマン「え!? 忘れ物」
大切な木槌が……。危険を冒しても取りに戻らねばならない。
そこで二人が見たものは、ちょうちんの写真を燃やし、ロケットの写真を見つめる、男の姿。
男「さよなら、私の愛したおばけちょうちん」
ちょうちん「知らなかった、マネージャーが私のこと、そんなに愛していてくれたなんて」
こめかみに銃を突きつける男。
カミタマンは必死にその腕にすがりつき、銃弾はあらぬ方に発射された。その瞬間、投げ出されたカミタマンの体は、伸介の寝床に……。
カミタマン「く、苦しい、ヤラれた」(なぜか巻き舌)
伸介「うるさいな、もう夜中の三時だぞ、今日もまた寝られないじゃないか!」(ボカッ!)
カミタマン「あ、またヤラレた……!(巻き舌) く、くるしい……ちょうちん、団長、これで、いーいのだぁ(古典演劇調) がくっ」
男「ほらみてごらん、夕日が真っ赤に燃えて、僕らを祝福しているじゃないか」
ちょうちん「ほんと、きれい」(BGM:君といつまでも)
【コメント】
ペットントンの頃のテイストをすごく感じる一本。
一つの要因はお化けマネージャー役のこの癖の強い男性役者氏。ペットントンの準レギュラーハッパバーガー博士、ネムリンのベートーベン、ぼっくんのちらん博士などシリーズ通して活躍している。
そしてお化けなので無生物とは言い難いが、それ系のまさに「不思議」な展開と演歌調恋愛ドラマ。主役異生物であるカミタマン(ペットントン)のみが話に絡んで、人間の伸介(ネギ太)はほぼ絡まない展開が鋳型にはまる。
夏休みの宿題に関する伸介のこのたわけ発言は、ペットントンのガン太、ネムリンの玉三郎(子役は同じw)が、ほとんど同じことを発言している。これらのシリーズ、放映時期に合わせたイベントをわりときっちり取り込んでるんだよね。
ワタクシ事だが、筆者は小三から小六くらいまでほぼ夏休みの宿題をやらず、この子達と同じように二学期の二週間をしのいでいた。夏休みの終わり頃焦った記憶すらない。褒められた話じゃないのはわかっているが、今そのせいで苦労してるとは思わんね。親に手伝ってもらったりやらせて帳尻合わせるよりよっぽどいいと思うんだ。
いずれにせよ大ボケ休日登校と同じように昔が蘇って、なんかうれしくて、共感を覚えることしきり。PTA的にはよかったのかねこれw
小ネタとしては、お化けのスケジュール黒板に「大岩家」があり、これはネムリンの一家だ。大岩マコ、玉三郎。
今回ほとんど話に絡まない伸介君はすごい寝相を披露し、ベッドでまたもや寝ながら変身し、本筋に全く関係なくパンツルックでお着替えを披露してくれる。これってヒロインのお色気シーンと同じ扱いじゃねえかよ、ってのはショタコンの色眼鏡なのだろうか。別の回では得意の二度寝するのにわざわざ寝間着を脱いで別の寝間着に着替えるんだよね(笑)
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無題
2008/03/20(Thu)10:37
ここの画像やストーリーを見て、この番組を思い出してみると
伸介が子供のころの自分のようにみえてしまう。
(行動・体格とも・・・)
とっても懐かしいです。
No.1|by 根元マン|
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