【ストーリー】
「みんなごはんよ!」
盛夏の根本家でも母は元気(平和な家庭では母がだらだらしてるってことはないのだ)。
舌をだらんとだしてだれだれのカミタマンを寝間着姿で追い越す伸介。
カミタマン「伸介!? お前よく平気だなあ」
伸介「僕、学校の成績悪いから」
カミタマン「ほげ?」
さらりと答えた伸介は至って元気だ。
マリ「朝からこれじゃたまんない……」
続いてマリはだれだれ。そしてパパも。
パパ「ママ、この暑さじゃ食欲なんてないよ……」
ママ「でしょ? だから今日の朝ご飯、氷イチゴにしたの」
一同「えぇ?」
さて食卓に並んだ氷イチゴ。奇抜なアイデアにうんざり顔の一同だが、伸介は一人ちょっとうれしそうである。
公園のベンチで汗びっしょりで寝ころんでる少年が一人。そこへ通りかかったカミタマン。
カミタマン「おーっす!」
少年「おーっす……何がおっすだよ。この暑さに声なんかかけるなっつーの。バーカ」
声「ヘイ! おたたりだす~!」
こちらも盛夏の最中異常に元気なタタリ君出現。
タタリ「へへへ、すんまへん……えーと(名札を見る)キヨヒコ」
キヨヒコ「何すんだよ!」
タタリ「ヘイ、神様の悪口言ったおたたりですねん」
キヨヒコ「神様の悪口なんか」
テープレコーダーを持ち出すタタリ。『……この暑さに声なんかかけるなっつーの。バーカ』
証拠をつきつけたタタリは勝ち誇っておたたりを開始。キヨヒコに冬装束をまとわせ、こたつにストーブまでプレゼント。
タタリ「ウヒヒヒ……暑おまんなあ……ウヒヒヒヒヒェ……」
そして公園の噴水にて裸で水浴び中の少年。
カミタマン「うーっす!」
少年「……ちぇっ、この暑いのに」
タタリ「おたたり~!」
ポラロイドカメラを持って出現。しかめつらで舌打ちした姿がばっちりと。
タタリ「はい、おたたり……」
突然沸き上がる噴水池。
少年「あち、あち! 熱いよ! どうにかしてくれよ!」
タタリ「湯加減どうお? ウヒ、ウヒヒェヘヘヘ……」
さらに木陰で寝ころびぐったりの少年。
カミタマン「おーっす!」
少年「……」
タタリ「おたたり~! 神様に挨拶しなかった、おたたり~」
巨大な虫眼鏡で、少年の尻に太陽光線の攻撃。じりじりと焦げる少年の半ズボン。
少年「熱い! 熱いよう!」
タタリ「ハハハハ! バカめ~」
お尻を焦がされた少年が根本家に抗議に訪れたところ、そこにはすでにキヨヒコともう一人の少年も来ていた。
マリ「やめてよ、やめて!」
少年たち「おたたり~」
なぜか復讐のターゲットにされたマリは、二人の少年にスカートをめくられていた。当然三人目も参入。そこに電話。
マリ「はい根本ですけど。あ、横山さん?」
横山「伸介くんいますか?」
マリ「今ちょっと。え、バーベキュー? わかった。帰ってきたら三丁目の工事現場ね。……あ、横山さん? 私ねえ、実は、今スカートめくりされてるの。ほんとにやんなっちゃう。え? やあねえ、ちゃんとはいてるわよ」
横山「ほんと僕も参加したいなあ。マリちゃんいちごのやつとても似合うんだもん」
マリ「いやだ。じゃあね」
電話を切るマリ。そして三人を待たせ、二階に。
そしてマリは、タンスからイチゴ柄のパンティを取り出し、身につけると、短いスカートから挑発的にのぞかせ、階下に。ところが男の子三人は、すでにいなかった。
不機嫌になったマリのいるリビングに、例によって間が悪く伸介が帰宅。理不尽にもほうきでぶん殴られてしまう。
伸介「マリのやつ、何怒ってんだよ……」
横山とのバーベキューは、工事現場で小学生二人、めざしオンリーとマニアック。
横山「きっとあれで。タタリのせいでスカートめくられたって言ってたから」
伸介「タタリのやつ、またマリにちょっかいを……」
横山「伸介くん……」
猛然とめざしを食いまくる伸介にあきれる横山。
伸介「大丈夫、カルシウムをいっぱいとって……んぐ……タタリをやっつけるから!」
あまりの暑さに河原でぐったりのカミタマン。そこへ橋梁を揺るがせて伸介登場。
伸介「探したぞ!」
カミタマン「伸介!? お前いやに力んじゃってどうしたの?」
伸介「今日の根本伸介は昨日の根本伸介ではない。カルシウムをつけた根本伸介だ! タタリをやっつける! 早くネモトマンにしろ!」
カミタマン「何だか知らないけど、勝手になってくれい」
カミタマンから木槌を受け取った伸介は、自ら呪文を唱えネモトマンに変身した。
タタリ「おタタリされたいんもん、この指止まれ♪」
忙しく人の行き交う都心市街ではあるが、タタリの奇行にはそれなりの冷たい視線が集まっていた。
シリーズ最強カルシウム入りネモトマン。キメポーズもいつもと違う。
「カルシウム入りキック」を繰り出したネモトマンは、タタリを一瞬にしてやっつけた。
根本家の庭にて、檻にタタリは閉じこめられている。ネモトマンは余裕の体でシャワーを浴びに奥に消えていった。
カミタマンはあらためてタタリに、おタタリをやめてくれと訴えるが……。
タタリ「冷や奴食べさせてくれたら、やめたる」
お人好しのカミタマンが、冷や奴をご馳走するとタタリはパワーを得て、檻の鍵を破壊した。
タタリ「バカめ。俺がおタタリやめるわけがないだろう? これからもお前が嫌がる大きなお世話おタタリ、やりまくってやろ~~♪」
元気いっぱいで去っていくタタリ。
カミタマン「ああ、あの濁った目を信じたカミタマンがバカだった」
伸介「どうした!? あぁ~~!」
シャワーから戻ってきた伸介は、思わず叫ぶ。
カミタマン「冷や奴がね……」
カルシウム入りネモトマン再出動、タタリに「カルシウム入りラリアート」を喰らわせ、一撃で再捕獲。
ネモトマン「いいなカミタマン。二度とタタリにだまされるな……ああ、また汗をかいてしまった」
お風呂に消えるネモトマン。
カミタマン「タタリ、お前ってやつは……」
タタリ「カミタマン……じつは俺、満足な義務教育、受けてないんだ」
カミタマン「なんだ突然!?」
タタリ「神様なんかに、満足な義務教育受けてないタタリの気持ちなんか……一度でいい、めいっぱい、
冷やし中華、食べてみたかった……」
そしてタタリは、「故郷」のハミングで畳みかけ泣きむぜぶ。
三文芝居に涙したカミタマンは、タタリのためにうまそうな冷やし中華を用意。さらにパワーアップしたタタリは檻の扉をぶち壊し脱出。
タタリ「実は俺、三流だけどちゃあんと大学出てるんだ。冷やし中華~♪」
うきうきと去るタタリ。
カミタマン「あぁあ、あの蓄膿症っぽい鼻を信じたカミタマンがバカだった」
そこへシャワーを終えた伸介。
カミタマン「伸介、この責任はカミタマンがとる!」
今度はカミタマンとタタリが、都心で対決。巨大「入れ歯」を繰り出すタタリに、カミタマンは「入れ歯外し」とカミタンブーメランで勝利した。
檻に鎖をがっちりと巻いて、伸介は二度と瞞されるなとカミタマンに釘を刺すが……。
タタリ「カミタマン、食べたい。……わかるだろ? 冷や奴、冷やし中華と来れば、その次に来るものは」
伸介「カミタマン、考えるな! よせ、やめろ!」
タタリ「冷や奴、冷やし中華、さてその次に食べたいものは!?」
カミタマン「うーん……」
伸介「冷やしハンバーグ!」
あ……
伸介「いけね、こたえてしまった……」
そして、冷凍ハンバーグを取りだし、フライパンで温め始める伸介。
解説「冷やしハンバーグとは、冷凍のハンバーグをフライパンで焼き、氷入りの器に入れたものである」
カミタマン「何してるんだよ伸介!」
伸介「僕にはわかるんだ。冷や奴を食べ、冷やし中華を食べ、そのあとに冷やしハンバーグを食べたくなるタタリの気持ちが。僕はタタリを信じる」
カミタマン「伸介!」
伸介「僕はタタリを信じる。いや、この冷やしハンバーグを」
がつがつと冷やしハンバーグを完食したタタリは……
タタリ「爆発! ザ・タタリーーー!」
檻を完全にぶち壊し、暴れ出した。
伸介「ああ、あの無教養なおでこを信じた僕がバカだった」
巨大入れ歯で家をかじり出す。もう誰にも止められない。
カミタマン「大変だ、家が壊される……!」
ところが、突然タタリはくねくねと崩れ落ち、うずくまったのだ。入れ歯も消えてしまった。
腹痛により、救急車で病院に運ばれるタタリ。
落ち着きを取り戻した根本家の夕食の時間。
伸介「カミタマン、お見舞いに行くのか」
カミタマン「ああ、仕方ない。この近所に知り合い、おらしかいないっち」
パパ「ママ、夕ご飯まだ?」
ママ「ハイ、できたわよ」
カミタマン「ま、まさか今夜も暑いからって氷イチゴじゃないだろうね?」
ママ「まさか! ちゃんと氷メロンにしといたわよ。ハイ!」
げんなりの家族一同の中で、なぜか一人、笑顔満面の伸介。
【コメント】
ギャグのつもりなのかなんなのかわからず、特にフォローもされない謎のセリフや展開が、このシリーズにはたまにある。
今回の伸介の「僕、学校の成績悪いから」もそう。
暑くてみんながでろでろになってる最中、彼一人元気なのでカミタマンが「よく平気だな」と言ったことに対するものだが、「頭悪いから体力くらいないと」という意味なのか、体力をつけたんだ、つけたいんだということなのか、まあリアルタイムだと自然にスルーした人が多かったのだろうが、どう考えても「??」である。
ただしこの回は、まさにこの伸介&ネモトマンの「変身」がテーマだ。序盤の回で「僕は体力がないもん」とうじうじしていた伸介は今回、「カルシウムをいっぱいとって、体力をつけてタタリをやっつける」と鼻息も荒く、以前失敗した自力での変身もこなして、タタリを圧倒するのである。
一方でカミタマンもあきれるようなおバカな行動とふてぶてしさとお腹の肉が増えていくこの話以降の伸介だが、うじうじしたひ弱そうな感じは、ほぼこの回で乗り越えてたくましくなっていく。もちろん、ずっこけ失敗は、変身前後に関わらず、相も変わらずだが、めげることがない強い子になっていくのである。
氷イチゴと氷メロンのシーンの伸介にも注目、一人だけ喜んでいるが、一回見ただけでは誰も気づかないような微妙な演出になっている。とくに最初の氷イチゴ。
その他、河原で小学生二人で、めざしのバーベキューという謎の展開は、「カルシウムをとって強くなる」という展開の「ためにする」思いつきだろうが、コメディとしてはプラス効果の強いシュールさを醸し出している。ここでは伸介(岩瀬くん)が、本物の小魚をばくばく食っている。誤魔化しなし。子どもって小魚好きな子少ないと思うし、子役って大変。
三人の脇子役男子の独特のチョイス、一人だけ名前があってなぜかキヨヒコ、強引なスカートめくりの展開に、電話での横山の会話のあり得ない変態ぶり、なによりもスカートめくられて喜んでるマリ(この回背中まで見えるんじゃないかというほど思い切りめくられている)。
等々、つっこみどころ満載。あ、冷やしハンバーグもマジでちゃんと調理して作ってある。相変わらずのホンモノ指向に脱帽。しかし確実に腹壊しそうな食い物だわ。
ショタ的には、わざわざ繰り返し出てくる伸介のシャワー後の半裸と、おタタリされる脇男児の水浴びでの半裸が見どころ。
あと、言いにくい長台詞を何度も言わされて舌が回っていない岩瀬君が個人的にたまらん。彼は演技はけっこううまいはずで、幼い頃からかなりたくさんの役をこなしているが、滑舌はよくなくて、セリフが甘ったるいのが味。この番組のスタッフはそれを知ってか知らずか、この回以外でも「撮り直しだろう」っていうくらい舌が回ってないのを、そのまま使って放映している。
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無題
2008/02/24(Sun)15:38
ゆっくりで結構ですので、話や画像、また見せてください。
No.1|by ネモトマン2号|
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