【ストーリー】
パパの会社に、お弁当を届けに来たカミタマンは、上司に怒鳴り散らされるパパを見てしまった。
カミタマン「かー、見たくないもの見ちゃったなぁ」
落ち込むパパを慰めるカミタマン。しかしパパの企画「町内ご隠居銭湯ツアー」は、「儲かるわけない」と即断。パパの煙草に、杖のパワーで火をつけてあげると、ふと故郷を思い出す。「よくこうやって父ちゃんのキセルに火つけさせられたなあ……」
たそがれるカミタマンを尻目に、パパの脳裏には一つのインスピレーションがひらめいていた。それは「カミタン島ツアー」
パパ「いいか、キャッチフレーズはこうだ! 少年よ! 少女よ! 夢を! 冒険を! 南海の孤島カミタン島で、神様を見つけ出そう!」
マリ「今時流行んないコピーね」
パパ「そこには、『自称』神様という一族、カミタン族が、君たちのおいでを待っているんだー! どうだどうだ?」
カミタマン「どうもひっかかるなあ……」
パパの出世のため、低コスト戦略のために、宣伝ポスター作成などに家族総出で協力することに。
パパ「少ない予算でビッグなツアー、これが我が社のモットーだからねえ」
マリ「そうそう、サラリーマンの子どもって、これでけっこう大変なのよねえ」
そこへ登場のママは、探検家風の服装で、一人ハイテンション。何か勘違いしているようであった。
ロケ地に選んだのは、近場の遊園地の南国遊覧船コースだった。
パパ「どうだカミタマン。これならカミタン島のイメージにぴったりだろう?」
カミタマン「う、うん。まあな……」
はしゃぐ根本家のみんなを尻目に、どこかブルーなカミタマン。
伸介「へえ、わりといいところじゃんカミタマン」
マリ「ほんと。これでカミタマンが海に流されたって理由がわかったわね」
カミタマン「あん? どういうことだよ?」
マリ「だってこんなきれいなところ、わざわざ自分から飛び出してくるわけないじゃない?」
伸介「言えてる!」
ママ「やっぱりパパとママに追い出されたんだ?」
カミタマン「うーん! 違うわい違うわい!」
一同から離れ、南国風景を一人見るカミタマンは、さびしさが募るばかり。そこにオウムの姿を借りた父の大喝が。
カミタマン父「このバアタレが! 悪さばかりしおってからに、全然も進歩しとらんな! まだまだカミタン島には帰れんぞ」
カミタマン「父ちゃん!」
カミタマン母(声)「カミタマン。父ちゃんはあんなこと言うとるがのう、本当はお前が一日も早く一人前の神様になって帰ってくる日を首を長ーくして待っているんだよ」
カミタマン「母ちゃん! 待ってえ!……母ちゃん……」
伸介「おいカミタマン、何やってんだよ」
カミタマン「うっさいなあ、カミタン島じゃ、こうやって芋掘って遊んでたんだい」
倒れ伏して泣いていたカミタマンを見つけた伸介は、最初茶化し気味だったが、様子が変なのに気づいて口をつぐんだ。
スタイリスト兼カメラマンは、あの人とらばる聖子だった。
伸介「ええ~! マジでこの格好でやるの?」
マリ「お友達に石投げられちゃうよ……」
南国に漂流した少年少女のイメージか、恥ずかしい格好をさせられた伸介とマリ。ぶうぶう言ってはいるが、撮影が始まるとノリノリ。天使の輪や羽で仮装させられたカミタマンも、二人のおだてにのって気を取り直し、撮影は進んだ。
課長を説得することに成功し、いよいよ街頭にてのPR。しかしいつの間にやら殆どハワイ。トラックの荷台で踊り出した家族に、伸介はとてもついて行けず渋い顔だったが……。
ママ「伸介、パパの成功があってこそ、あなたの幸せや家族全員の幸せにつながるのよ。わかるわね」
伸介「……僕、間違ってた。パパが毎日家族のために働いてるのに。僕、家族の大切さを見失ってたよ」
あっさりと説得された伸介も一緒になって、荷台で踊る。一方その会話を聞いていたカミタマンは、しょんぼりと一人、姿を消してしまった。
晩ご飯時になっても、カミタマンは帰ってこない。伸介らが気にしだした頃、横山が来宅。カミタマンが、「勉強用のBGM」の波の音を流していたラジカセを「いつもよりマジな感じ」で借りていったというのだ。
そして伸介は思い当たった。カミタマンはホームシックにかかったのではないかと。
家族総出で、カミタマンを捜索に出る。
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